関節痛とリウマチ、関節リウマチは何が違うのか

中年期の女性が関節が痛くなった場合、リウマチや変形性関節症を疑う人が多いでしょう。
しかし、関節が痛くなる病気は500以上もあると言われています。
関節痛だからと言って、必ずしも関節の病気とは限りません。

例えば、インフルエンザにかかった時に関節が痛くなったと言う経験がある人もいるように、感染症が原因でのこともあります。
また、スポーツ選手の中には練習を頑張りすぎて肩を痛めたり肘が痛くなったりと言った経験のある人もいるでしょう。
リウマチの場合は、関節痛だけではなく発熱があったり体がだるいといった全身的な症状があるケースが大半です。

また、リウマチの場合は関節痛が起きる場所は1か所ではなく、複数の関節が痛くなります。
あちこちの関節が「昨日は肘が痛かったけど、今日は肘の痛みは治ってその代わりに膝が痛い」などと言うように、日替わりランチのように痛む場所が移動するという特徴もあります。
加えて、リウマチの患者さんの多くは指のこわばりを訴えます。

朝起きた時や指を使わずにじっとしている時に、指が固まったようにギクシャクしたりこわばって動きにくくなります。
しかし、30分後や1時間後には元通りに動くようになります。
この指のこわばりは、関節リウマチの特徴と言えます。

中年期の女性の膝の痛みの原因で多いのが変形性膝関節症ですが、変形性膝関節症の関節痛は、歩き始めや動かし始めに痛いのが特徴です。
しかしリウマチの痛みの場合は、じっとしていても痛いと言う人が多いです。
「何かをしている時は気が紛れるのか、まだマシです。
お布団に入ってからの方が痛いです」と言う人も少なくありません。
また、変形性膝関節症の人はO脚(がに股)になるケースが多いのですが、リウマチで膝が痛む人は逆にX脚になるケースが多いです。

中年期の女性が指が痛くなる場合、ヘバーデン結節という指の変形性関節症のことが多いのですが、ヘバーデン結節では爪に近い第1関節が変形したり腫れたりします。
それに対してリウマチの場合は、第2関節が腫れたり痛くなったりします。
このように、関節痛と一口に言っても原因は様々です。

自己判断しないで医療機関を受診しましょう。
リウマチの診断は専門医が診察しないと難しいケースもあります。
日本リウマチ学会のホームページから専門医や指導医を探して受診することをお勧めします。

関節リウマチは「自己免疫疾患」

関節リウマチに対しては、多くの人が様々な誤解を抱いています。
おばあさんの病気だとか温泉に入れば治る等という誤解が多いようです。
関節リウマチは、20歳代から50歳代の患者さんがおよそ8割を占めています。
60歳以上の患者さんは2割にも満たないので、おばあさんがなる病気ではありません。

関節リウマチは自己免疫疾患の一つです。
自己免疫疾患と言うのは、本来は細菌やウイルスなどの外敵を攻撃するはずの免疫システムが何らかの誤作動を起こして暴走し、自分自身の体を外敵だと勘違いして攻撃している状態です。
膠原病も自己免疫疾患の1つで、リウマチも膠原病の一つだと考えられています。

リウマチを病因論的に見ると自己免疫疾患の1つ、病理学的に見ると膠原病の1つと捉えると良いでしょう。
リウマチの場合は、関節内の滑膜という部分が攻撃されます。
その結果、関節内の滑膜に炎症が起きて、関節痛や関節内に水が溜まって腫れなどの症状を来します。
ひどくなると増殖した滑膜が軟骨組織を侵食します。
軟骨が破壊されて関節の隙間が狭くなってしまったり、関節が変形したり強直してしまうので、進行する前に治療を開始して、進行を食い止めることが重要です。

一昔前は、リウマチになると関節が変形して治らないというケースが多かったのですが、関節リウマチの治療はここ10数年程の間に大きく進歩しています。
進行を阻止して滑膜の炎症や軟骨の破壊を食い止めることができる薬が登場しました。
早期にきちんと治療を受ければ、変形を来すこともなく、また健康人と変わらない生活を送ることも十分に可能です。

リウマチでもスポーツ界で活躍している人もいます。
リウマチ以外の膠原病でも関節痛が起きることがあります。
膠原病で関節痛が起きる場合は、リウマチと同様にあちこち複数の関節が痛くなることが多く、リウマチとの鑑別が難しいケースもあります。
膠原病科の医師が診察しないと、他の膠原病との鑑別が困難なケースもあるので、かかりつけ医に紹介状を書いてもらって、膠原病科や膠原病内科、免疫内科の医師に診察してもらうことをお勧めします。

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